シナリオ部門
順位 票数 ゲーム名 メーカー
1位 1109票 CLANNAD Key
2位 929票 Fate/stay night TYPE-MOON
3位 158票 はるのあしおと minori
4位 154票 シンフォニック=レイン 工画堂スタジオ
5位 107票 らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合〜 TerraLunar
6位 74票 Dear My Friend light
7位 56票 何処へ行くの、あの日 MOON STONE
8位 53票 ToHeart2 AQUAPLUS
9位 48票 ままらぶ HERMIT
10位 44票 3days 〜満ちてゆく刻の彼方で〜 Lass
総評
どうも、(おそらく)初めまして。シナリオ部門コメントを担当させて頂くことになりましたSu-37です。
ランキングの部門別投票数でもトップに当たるこの項目。
ギャルゲー・エロゲーユーザーがシナリオを最も重要視している、というのが分かります。


1位はkey四年ぶりの新作「CLANNAD」。投票総数の三分の一以上を得て堂々のトップです。
過去の名作「KANON」「AIR」からの正当進化と言える『泣き』のシナリオで旧作ファンを
また全年齢対象という間口の広さで新規ファンを多く獲得出来たことが幅広い支持に繋がったのでしょう。
キャラの豊富さと個性の強さも特徴的で、それぞれに笑い、友情、恋愛、最終的には家族まで、
本当にたくさんのものをプレイヤーに与えてくれる『大作』と呼ぶに相応しい作品でした。


2位はTYPE-MOON商業化第一作である「Fate/stay night」。こちらも凄い勢いでしたがCLANNADには及ばず。
こちらも同人時代の作品「月姫」から長く望まれていた新作で、
エロゲー作品では2000年「AIR」以来の十万本級ヒットになりました。
「CLANNAD」とは対照的に攻略キャラを三人に絞り、それぞれを深く追っていく手法を採っています。
細かな舞台設定、歴史背景をベースにした技巧的なストーリーと戦闘描写は
感動と同時に、ある種少年漫画的な熱気をプレイヤーにもたらします。
今回のような投票では「シナリオが良い≒泣ける」という認識の強さから若干不利かなとは思いましたが
それでも充分な成績。「CLANNAD」と合わせ2004年を代表する作品と言っていいでしょう。


三位争いは激戦でしたが「はるのあしおと」が僅差で「シンフォニック=レイン」を押さえました。
やはりシナリオ部門となると、これらのような「鬱ゲー」は強いですね。
プレイしていて胸が痛くなるような辛いシナリオは、人を選ぶものの熱烈なファンを生み出しますから。
ゼロからの『成長』を一番底の部分から描く「はるのあしおと」も、
人の心の汚さやトラウマがテーマになる「シンフォニック=レイン」も、
心当たりのある人にとっては胸に深く刺さるシナリオだったのではないでしょうか。
流行としてシナリオ重視の作品にはこのタイプが多くなってきているような。


五位の「らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合〜」は極めて特殊な作品ですね。
何と言ってもエロゲー製作会社が舞台ですから、普段からプレイしている我々にとっては極めて身近。
ひょっとしたら普通の学園ものより身近かも知れません。
しかし中身に注目してみると物語としても実に良く出来ていて
誰もが味わう苦労や挫折を描いた青春モノとも言えます。(舞台はあくまでエロゲメーカーですよ)
生臭いストーリーの割には地の文は詩的で綺麗だったり、一筋縄ではいかない怪作。
ある意味エロゲーマーの支持を集めるのは当然、という気はしますが・・・


六位の「Dear My Friend」を高いと見るか低いと見るかは微妙なところ。
奇跡も魔法も無い直球王道学園恋愛ストーリーであり、「男と女の友情と愛情」を正攻法で限界まで煮詰めた正当派なので
大きな粗は無く誰にでも勧められる、完成度の高いシナリオではあります。しかしこれだけ王道を突き詰めて六位というのは
ユーザーが一味違ったオリジナリティある作品を求めているという傾向か、
全く奇をてらわなくてもこれだけの支持が得られるという証明か。
一昔前ならこういうゲームが一番人気だったけれど・・・


九位の「ままらぶ」はマイナーな作品ながら、「ショコラ」「V.G. NEO」のシナリオ等で定評のある
企画屋の丸戸史明がライターを務めた実力作。
未亡人というニッチなジャンルの作品をここまで押し上げたのは間違いなく彼の書くシナリオのお陰でしょう。
「アメリカンホームコメディ」を意識したと本人が言う通り、団欒と笑いに溢れるノリの良いシナリオになっています。


個人的に意外だったのは七位の「何処へ行くの、あの日」と十位の「3days 〜満ちてゆく刻の彼方で〜」でしょうか。
かたやメタ世界的作品、かたやグロ描写有りの作品。一般的にはなかなか評価を得にくいシナリオではありますが
ユーザーの好みが多様化・細分化している現状ではこういった作品もアリなのかも知れません。
また、一年に多くの作品が発売されている中で「記憶に残る作品」になるには
これくらいのインパクトが必要なのかも知れません。


全体を俯瞰すればCLANNAD、Fateの独走に尽きます。
上位二つで得票総数の三分の二を占めるという結果になりました。
推測ですが昨年は前半にこの二作が出た為、ライトユーザー層はそれで満足してしまって
あまり他のゲームに手を出さなくなったのではないかと思います。
(シナリオボリューム的にも平均を大きく上回っていますし)
若干票が集まり過ぎて、忘れられてしまった作品が多いようにも感じましたが・・・
もしToHeart2がもっと早い段階で発売されていれば、また違ったランキングになった筈です。
是非三つ巴の戦いが見てみたかった!

では、長々と失礼いたしました。今年は良作の多い年になりますように・・・
コメント:Su-37さん@独り言以外の何か(仮)
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